上越市安塚区和田で、旧安塚かたくりの家の解体・撤去工事が進められています。
この建物は、もともと昭和56年(1981年)に開園した「和田保育園」として建設され、その後は平成15年(2003年)に高齢者共同住宅「かたくりの家」へと生まれ変わりました。
保育園として地域の子どもたちを見守り、高齢者共同住宅として地域の暮らしを支えてきた建物は、45年の歴史に幕を下ろそうとしています。
解体工事が進む旧安塚かたくりの家
令和8年(2026年)7月に現地を訪れると、建物の周囲には足場が組まれていて、重機による解体作業が進められていました。



前身は昭和56年(1981年)開園の「和田保育園」
この建物は、昭和56年(1981年)4月に開園した「和田保育園」として建設されました。
『安塚町史』によると、開園当時の定員は60人、職員数6人で運営されていました。
その後、平成15年(2003年)4月1日に安塚保育園へ統合され、22年間続いた和田保育園は閉園しました。
高齢者共同住宅「かたくりの家」として建物を利用
平成15年(2003年)12月1日、建物は高齢者共同住宅「かたくりの家」として開所しました。
建物は鉄筋コンクリート造平屋建て(落雪屋根)で、保育園を改修して整備されました。所在地は安塚町大字和田2443番地2(現在の上越市安塚区和田)です。
当時の安塚町ホームページでは、かたくりの家について次のように紹介されていました。
「身の周りのことを自分でできる高齢者が共同生活する住宅です。個室で個々のプライバシーを守りながら、食事や入浴などはお互いに助け合い生活していただきます。」
安塚町ホームページ
また、生活援助員が日中に住宅を訪問し、施設の管理や生活相談、買い物の手伝いを行うほか、菜園づくりや草花の植栽、生きがい活動、健康に配慮した料理教室なども実施する計画となっていました。
月額9,000円から入居できる共同住宅だった
開所当初の募集資料によると、入居対象者は
- 60歳以上で日常生活を一人で営むことができる人
- 共同生活ができる人
- 5年以上の生活が見込まれる人
とされていました。
家賃は月額9,000円~11,000円。
居室は11畳が3室、9畳が2室の計5室で、FF暖房やエアコンを完備していました。共同設備として
- キッチン
- 居間兼食堂(20畳)
- 浴室
- トイレ(シャワー暖房便座)
- 脱衣兼洗濯室(洗面台・洗濯機・乾燥機)
- 公衆電話
- 交流室(30畳)
などが整備されていました。

利用者は年々減少 令和4年度(2022年度)に廃止
上越市安塚区地域協議会資料によると、「安塚かたくりの家」の年間平均利用者数は年々減少していました。
| 年度 | 年間平均利用者数 |
| 平成29年度(2017年度) | 2.2人 |
| 平成30年度(2018年度) | 2.6人 |
| 令和元年度(2019年度) | 1.6人 |
| 令和2年度(2020年度) | 0.2人 |
| 令和3年度(2021年度) | 休止 |
利用者数の減少を受け、施設は令和3年度(2021年度)から休止となり、令和4年度(2022年度)をもって廃止されました。
その後は使用されないまま建物が残されていましたが、現在解体工事が進められています。
約45年の歴史に幕
この建物は、保育園として地域の子どもたちの成長を見守り、その後は高齢者共同住宅として地域の高齢者の暮らしを支えてきました。
歩みを振り返ると、次のようになります。
| 年月 | 出来事 |
| 昭和56年(1981年)4月 | 和田保育園が開園 |
| 平成15年(2003年)4月 | 安塚保育園へ統合し閉園 |
| 平成15年(2003年)12月 | 高齢者共同住宅「かたくりの家」が開所 |
| 令和3年度(2021年度) | 利用休止 |
| 令和4年度(2022年度) | 施設廃止 |
| 令和8年度(2026年度) | 解体・撤去工事 |
保育園として地域の子どもたちを見守り、高齢者共同住宅として高齢者の暮らしを支えた建物。役割は時代とともに変化しましたが、約45年にわたり地域に寄り添ってきた建物は、その歴史に静かに幕を下ろそうとしています。
参考資料
- 上越市安塚区地域協議会資料(令和4年8月23日)
- 『安塚町史』
- 安塚町ホームページ「高齢者共同住宅「かたくりの家」入居者募集のお知らせ(2003/12/19掲載)、国立国会図書館WARP保存)」

